営業の本質〜奉仕心による営業・取り組む心構えを実体験から学ぶ〜


「古川益一の経営勉強会」開催レポート。
勉強会通じてのテーマは、「経営学の真理を学ぶ会
300件以上の会社を再建された再建コンサルタント古川益一さんを講師に開催しました。

関上は、開催のお手伝いをさせていただきながら、レポートも作成しています。
この勉強会は、5月から10月まで半年、12回行う予定。
今回、6月24日に4回目を開催。
経営戦略 2本目の枝 営業戦略」について学びました。

 

営業戦略 経営戦略

 

1〜3回目の質問に対する回答

はじめに、1〜3回目の勉強会後のアンケートに書いていただいた質問に対して、先生が回答してくれた内容のシェア兼、内容のおさらい行いました。
振り返りと、参加者からの生の意見に対する回答は、わかりやすく頭に入ってくる内容ばかりでした。

 

”営業の多種多様性”

はじめに、営業の多種多様性についてお話がありました。

組織、営業、財務の3戦略の中で最も華やかで、注目を浴びるものが営業戦略であり、組織、財務を引っ張っていくもの。
しかし、こうすれば必ず売れるという方程式はありません。

商品やサービスの価値、売るタイミング、社会情勢、そして営業マンの個性などにより、様々な要素がミックスされて営業力になってゆくからです。

営業を辞書で引いてみると「利益を得ることを目的として事業を営むこと」でしかありません。
しかし、営業に関する書籍は、数限りなく沢山ありますが、そのほとんどが知識としての教科書的なものか、その成功体験です。
従って、自社の営業戦略として参考にすることは、なかなか難しいのではないかと思います。

そこで、今までの営業体験を語ることにより、私自身の生の事例を参考にしながら、営業の本質に迫ってみたいと思います。
それから営業に取り組む心のあり方、そして営業戦略へ進めていく流れで進みました。

 

古川先生の実体験による営業戦略の話

お話された営業の実体験を記載すると、とても長くなるため、一部の事例紹介とポイントと思われる部分のみピックアップしました。

 

◆商社間の業者間転売業務体験

情報だけが売買された事から商品は動かず出荷依頼書や発注書のみで取引が行われた仕事で、特殊な営業体験。
情報が命綱となるため、人との絆が求められた。
この体験では、まさに「情報とは、頂いた情(思いやり)に報いること」と教えられた。

 

◆全国への路線運送会社への燃料販売体験

全国チェーン展開していた企業の経営資源があればこそ出来た営業体験。
徹底して相手運送会社の路線運行コースや会社の内容を調査し、相手の立場に立った提案型営業を心がけ、うご板分どんどん売上も上がっていった。

 

◆本支店間総合チームによる事業部営業

全国組織の大企業であればこそ経験させて頂いた営業体験。
ポイントは、共通の理念、方針、目的、目標、そして具体的な実行方法が全て整っている事が、チーム運営の条件になる事。

 

◆美装工事での起業

美装工事業で起業をし、美装工事のパイオニアに呼ばれるまでになった営業体験。
顧客に仕事の内容を知ってもらうため、1棟分を無料で作業し、確認と納得を頂いてから取引をお願いする形の提案型の営業方法により、紹介が紹介を呼び経営は安定した。

入院 病院

◆経営方針に基づく営業

古川先生自身が動きすぎて入院をされた経験より、営業をせずとも無理をしないでも仕事が入ってくる形を求め続けられた営業体験。
仕事が入ってくる形を求め続け、そのためには、1つ1つの仕事をとにかく大切にすることに尽きた。
経営方針を掲げて経営し、社員を始め、外注業者など、全員がよく仕事をしてくれ、実に安定した経営を続けることが出来た。

 

◆武器をもった営業

事業拡大に当たり、競合が増えた時の営業体験。
競合に打ち勝っていくため、ランチェスター第一法則、局地戦 戦闘力=武器効率×兵力数 の実践を行い、これだけは負けない武器を持つ。
武器は、こだわりを持てる事が大切。

 

◆総合建設業の確立を目指すも倒産

総合建設業を目指していたのではなく、お客様の要求に応えるうちに自然と出来上がっていったもの。
会社は、大きくなる時は黙っていても大きくなるものだが、その拡大と経営者の「心の器」というものが追いつかないと、いつかつまづくことになる。私もそのパターンであったと反省しているお話でした。
会社経営は、アクセルよりもブレーキが重要。

 

◆26年間で大切にしていた2つの経営方針
「仕事は絶対断らない・必ず報告する」

奉仕の心で仕える事が仕事であり、自然に発展していくことを体験した。
この体験は、現在の再建コンサルタントをする上で、大きな自信となっている。
などのお話がありました。

 

奉仕心による営業

26年間継続した総合建設業としての3社が倒産。52才で全てを失い、一から再出発することとなり、その時から人生の捉え方が変化したお話。

その当時思った事として、

「形の世界は必要なことであって、見えない世界は重要なこと」

を定義し、これからの人生を、形に捉われないで楽しく生きてゆくことを決意した。
今までの事を振り返り、仕事の意味を調べた際「仕事とは仕える事」と書き、成るほどと思った。そして、「奉仕の心で仕える事が仕事と定義したならば、無理な努力を必要としないで経営が成り立つものなのか?」を試してみようと思い立った。

自分自身で考え全力を注ぐ毎日を送るうちに、どんな難題でも解決する自信をもてるようになり、仕事に困らない日々を過ごすことができた。

 

奉仕の心

 

営業に取り組む心構え

営業に関する本は、数限りなくあり様々な方が書かれております。
しかし、その基本はお客様をどのように見るかということから始めなければならないものと思います。

営業と一口に言っても、製造業、サービス業、物販業など様々ですが、この中で基本となるお店を例にして接するお客様は、どのようなものなのか?

顧客サービスは、そこそこでは駄目。
お客様に感動を与え、人に話し、感動を分かち合いたい気持ちにさせることにより、自然に広がっていくもの

 

魂のこもった営業

心構えから更に突き進み、表面的な物やサービスを売るのではなく、それの持つ付加価値を最大限に引き出し、真心を沿えて売る、つまり、魂を入れることを考えるお話がありました。

「儲けるのではなく自ずと儲かる」ためにはどのようにしたら良いのか?
営業のテクニックなども必要ですが、その根本にある心構えとして、魂がなければ活かす事は出来ないものと思います。

お客様の心を大切にすることは、自分を大切にする何よりの宝になってゆきます。

勇気と信念を持って、自己改革に挑戦する事が大事。

 

3つのお客様開拓方法

お客様開拓方法についてのお話。
「顧客は自然に減少していくため、それを補うためには新規開拓が必要である」と言われますが、顧客を大切にしているだけで、自然に増加している所もあります。いずれにしても営業において、お客様の開拓は当然のことです。しかし、その開拓の方法によって、一次的なものなのか、長期的な展望に立って開拓していくのか、考える必要があります。

その後お話に上がった、3つの開拓方法。

・新規開拓

全く新しいお客様を開拓していく方法。戸別訪問やチラシ戦略、価格戦略など、様々な方法があり、最も一般的な開拓方法ですが、費用の割合が大きいことと一過性になりやすいという欠点がある。

・深耕開拓

既存のお客様を大切にし、顧客管理を徹底し、深く耕し、そのお客様の満足を頂きながら100%の顧客にしていく開拓方法。
アフターサービス、ビフォアーサービスなどを通し、お客様からの発注額の割合を増やしていく方法ですが、特に意識しなくても、通常の心構えにより顧客満足度が上がるにつれ成果が上がっていくもの。

・感動開拓

お客様満足からさらに踏み込み、感動を与え、感動の輪がお客様 からお客様へと自然に広がっていく開拓方法。
つまり、お馴染み客であるリピーターが売上の基礎を作って下さるようになり、お客様そのものが大切な財産となっていくもの。
このレベルに達するには、表面的な営業方法では難しく、お客様の立場に立ち、魂はもちろんのことお客様より真剣に自社を見つめる目が必要。

 

営業戦略の基本

営業戦略は、様々な方法が研究されており、自社にどの戦略を取りいれるべきか?
その基本として、ABC分析のお話がありました。

ABC分析とは、収益性重視のための最も多く使われている手法です。売上の高い順に並べ、その売上高を線で結び、高い順にABCに分類。(パレート曲線)

すると、全体の顧客数または商品の中のほぼ20%が、80%の売り上げを占めていることがはっきりします。(20対80の法則)

この20%を徹底的にフォロー、又は重点的に販売すれば、80%の売り上げは確保できるということになります。そして、その販売経費は激減することとなります。

20%を重点管理することにより、80%が解決するという考え方。

パレート分析

 

今回のまとめ

今が大変でも、道筋を作れると道が開ける。道筋を作るのは簡単ではないが難しくもない事。

やった事がない仕事でも、まずはやってみる事。やった事ない事は、誰もが未経験で経験を積む事でプロになる。受けた仕事で失敗した時は謝る。

新規を追う事も必要ですが、目の前のお客様に奉仕の心で尽くし、期待以上の満足をしていただく事で営業につながっていくものではないか?
と思い、まずは目の前のお客様に奉仕する事をやっていこうと思いました。

また、古川先生の過去の実体験からのお話は、営業して得られた事が体系的にわかる内容で学びになりました。

 

 

次回の勉強会は、7月8日(月)
営業戦略をテーマにした営業戦略と
財務戦略についてお話していく回になります。

 

◆お知らせ◆

勉強会にご興味ある方・ご参加したい方は、
こちらのサイトをご覧ください。

古川益一の経営勉強会

 

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